イングランド&ポルトガル・サッカーコーチブログ

イングランドとポルトガルのプロサッカークラブでのコーチ経験や、大学で学んだ内容を発信していこうと思います。

スポーツは科学である

 

スポーツは科学である

 

 

26日までのウィンターブレーク期間中に何とかスポーツのピリオダイゼーションについて投稿しようと書き始めたのですが、一つとても大切な大前提を投稿するのを忘れていました。

 

 

それは、

 

「スポーツは科学である」

 

ということです。

 

当たり前だよそんなの、という方も、どういうこと?という方もいるかもしれません。

 

 

スポーツは科学なのです。

 

例えば、サッカーの試合のウォーミングアップのメニューが以下だったとします。

ジョギング:5分

ストレッチ:5分

アジリティ系エクササイズ:5分

パスゲーム:10分

 

なんでもないメニューに見えますが、もしこのメニューを作ったら、イギリスの大学でもポルトガルの今のチームでも、必ずその根拠を聞かれます。

なぜジョギングの時間は5分なのか?

なぜストレッチがジョギングの後なのか?前ではないのか?そもそもウォーミングアップにストレッチは必要なのか?

なぜアジリティー系のエクササイズをするのか?

パスゲームをした時としなかった時で、身体にどのような違いが現れるのか?

なぜウォーミングアップの時間が計25分なのか?15分や30分ではダメなのか?

 

すべて、その科学的根拠を聞かれます。自分のウォーミングアップのメニューを想像してみてください。その内容、時間、順番、すべての「科学的根拠」を明確に答えられますか?

 

自分は、自分のメニューの科学的根拠を、ちゃんと答えられます。なぜ最初にジョギングをさせるのか。なぜストレッチをさせないのか。なぜ20分きっかりで終わらせるのか。なぜ全てのウォーミングアップメニューにボールを使うか。

 

もしそのウォーミングアップのメニューの根拠が答えられないのなら、それは勉強不足です。ストレッチをした組としなかった組の試合のパフォーマンスを比べる、ウォーミングアップ時間が10分の組と30分の組のパフォーマンスを比べる、ジョギングを最初にした組としなかった組を比べる。

それらを検証した科学論文が、スポーツ科学の分野には山ほどあるのです。

 

 

これは、トップレベルのアスリートたちも同じです。

なぜロナウドはFKの時に毎回同じルーティーンをするのか。なぜ100mの選手たちはスタート前にピョンピョン跳ねてるのか。なぜトッテナムの選手たちがCKの前に同じことをしているのか。なぜウサイン・ボルトはレース後の有名なポーズをレース直前にも取っているのか。なぜナダルは試合中にバナナを食べているのか、なぜ他の食べ物ではダメなのか・・・。

 

その全てに、明確な、スポーツ科学的な根拠があります。

 

だからこそ、

「スポーツは科学である」

なのです。

 

 

そして、スポーツが科学である以上、絶対に忘れてはいけないことがあります。

それは、

「科学は日々進化する」

ということなのです。

 

昨日の常識が明日の非常識、そんなことが科学の世界には溢れています。

 

以下は卒業時に大学の先生が伝えてくれたことです。

 

「君たちはスポーツ科学の最先端を大学で学んだ。しかし、その『最先端』は10年も経てば、『時代遅れ』になっている。これが今のイギリスのスポーツ界の問題だ。卒業してからトップチームのコーチやコンディショニングコーチやフィジオになる頃にはみんな50歳前後になっている。しかし、その頃には大学で学んだものは30年前のスポーツ科学であり、30年前のコンディショニングなんだ。

 

だからこそ、君たちはこれからも学び続けなければならない。君たちの学んだ『スポーツ科学』が廃れないように、学び続けなさい。そして、今年卒業する君たちが今のイギリスのスポーツ界を引っ張っていかなければならない。なぜなら、今この瞬間、本当に最先端のスポーツ科学を知っているのは君たちだ。だから、君たちがイギリスのスポーツ界を引っ張っていかなければならない。」

 

スポーツ界で働く者たちは、この言葉を胸に刻まなければいけないと思います。自分の知識や経験は本当に廃れていないか?自分は学び続けているか?最先端だと思っているものや常識だと思っているものは本当に最先端の常識なのか?

自分も、常に自問自答して、教授の言葉を思い出して、これからも学び続けていかなければいけないと思います。

 

 

長く語ってしまいましたが、この「スポーツは科学である」を大前提にした上で、今後のこのブログを読んでいただければ幸いです。